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牧師の書斎 2019.7.14

 先週、高知県黒潮町にあるむくげの少女(朝鮮国機織りの少女)の墓に行った時、丁度、ピンク、白、赤のむくげの花が咲いていた。「むくげの花の少女」の著者である植野雅枝さんがむくげの花は、源氏物語では朝顔のことである」と教えて下さりウェブサイトで検索した。

 

そこには「源氏物語の『朝顔』は、『槿【あさがお】」』とも書かれます。『槿』という字は、現在では、『むくげ』と読まれますね。 平安時代には、いくつかの植物が、『朝顔』と呼ばれました。現在のムクゲも、その一つです。名前だけでは、実物が、どんな種だったのか、わかりません。 現在のアサガオと違い、ムクゲは、樹木です。ムクゲとアサガオとは、さほど、似ているとも見えません。なぜ、ムクゲが、『朝顔』と呼ばれたのでしょうか? それは、ムクゲの花が、一日しか咲かないからです。一輪の花は、朝に開き、夕にはしおれます。このはかなさから、『朝顔』と呼ばれました。 ただ、ムクゲは、次々に別の花が咲きます。全体としては、花が絶えません。夏から秋にかけて、花期が長いです。はかない印象は、少ないですね。 昔から親しまれているのに、ムクゲは、日本の原産ではありません。いつ頃、どうやって日本に来たのかは、わかっていません。 ムクゲは、東洋でも、西洋でも、好まれます。ヨーロッパや、北米でも、多くのムクゲが、鑑賞されています。 英語で、ムクゲは、「rose of Sharon」(シャロンのバラ)と呼ばれます。」(Blog.zukan.net)より。


 聖書の雅歌2:1に「わたしはシャロンのばら、野のゆり」と花の名前が出てくる。シャロンは元来、ヘブライ語で「森」を意味する言葉である。イスラエルの地中海沿岸の、ヨッパからカルメル山麓に至る、なだらかで肥沃な平野は春の到来ともなると花々で埋めつくされる。「シャロンの花 イエス君よ、わがうちにひらきたまえ。よきかおりうるわしさを、われにわかちあたえつつ~シャロンの花イエスよ、わが心に咲きたまえ。」


この賛美歌の英語の題目が「rose of Sharon」で薔薇(ばら)をも連想するが、辞書で確認すると、「木槿(ムクゲ)」となっていた。イスラエルの地に咲く花がむくげの花であることに感動した。