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牧師の書斎 2019.10.6

 地球温暖化による気象の変化に誰しも危機感を持っているが、近年急激に加速している。9月26日国連が開催される中、「気候行動サミット」が開かれ、スウェーデンの16歳の環境活動家のグレタ・トゥンベリさんのスピーチを日本語に翻訳されたものをラジオで聞いた。「(前略)あなた方は、私たち若者に希望を見出そうとあつまっています。よくそんなことが言えますね。あなた方は、その空虚なことばで私の子供時代の夢を奪いました。それでも私は幸運な一人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは大量絶滅の始まりにいるのです。なのにあなた方が話すことは、お金のことや、永遠に続く経済成長というおとぎ話ばかり、よくそんなことが言えますね。~」とスピーチされていた。グレタさんが何度も表現した言葉が「よくもそんなこと言えますね(How dare you)」だった。


 彼女のストレートなメッセージに耳を傾けよう。国連で時間とお金をかけて様々な議論をしているが、それだけで終わり、何ら進展がない。そうこうしているうちに、地球は大国のエゴで増々温暖化が進み、自然の脅威が巨大化し絶えず牙をむいて人類に襲い掛かってきている。そのために年々膨大な災害復興費用の支出を余儀なくされているが、二酸化炭素の排出を抑えるための費用は惜しんでいる。まさにこれが現状である。


 地球温暖化を招いている今の生活を享受する事に慣れ、子供たちの将来の希望を奪いつつある現実に本当に心を痛めているだろうか、と自問させられている。小さな努力を日々の生活の中で実践しているだろうか。「あなた方は私たちを裏切っています。」と繰り返しスピーチの中で語られていた。アダムの陥罪によって自然との不調和を招いた、と聖書ははっきり警告している。「私たちは、被造物全体が今に至るまで、ともにうめきともに産みの苦しみをしていることを知っています」(ローマ書8:22)。

 

罪を悔い改め主イエスを信じて神の子とされたキリスト者は神との調和、人との調和だけでなく、自然との調和を与えられた。私たちには自然環境を保護し管理する責任がある。次世代の子らの夢のためにも重要課題である。彼らを裏切らないよう日常生活から変わっていこう。