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牧師の書斎 2020.2.23

 先週、勝山の教会の礼拝奉仕に行くため福井に出向いたが、辛うじて周辺の山々の頂上が雪で覆われていたが、麓には全然雪を見ることが出来なかった。今年の冬は記録的な暖冬だと言われているがいつもの雪国の風景も様変わりしていた。毎年、豪雪地帯に住んでいる人達が雪かきで苦労しておられる姿をニュースで見ることが多かったので、豪雪地帯にある勝山で「今年は雪かきをしなくても良かったですね」と言うと、「嬉しいことですが、また困っているひともあります。地元の人からよく利用されていた子どもを預かってくれるスキー場が倒産したので残念です。また雪が降らないと春から夏にかけて水不足になります」と言われた。

 

除雪業者、スキー場で働く人、観光業者の冬の収入がなくなり困っている人たちがいると言われた。また雪が降らないと田んぼの害虫が死なないそうで、雪と農業との関係が深い事を教えられた。美味しい米の産地は日本でも豪雪地帯が多いと承知している。雪とは無縁の大阪で生活をしている私は、雪国で生活をしている人々のマイナス面しか知らなかったが、驚くことに雪は多くの面での恩恵をもたらしている事が改めて教えられた。雪の効用と調べると、「大気の汚れを洗い去り、硫黄や窒素などの元素を含み化合物を運搬することによって、水分の供給と土壌の肥沃度を高める。また多量の空気を保ち、低い平地の熱を保ち、種を凍結から守り冬の作物を枯れさせないようにする」とあった。

 

雪がもたらす恵みに神の深い御旨を見ることが出来る。雪の結晶は二つと同じものはない、と言われていて神の素晴らしいユニークな芸術作品である。雪の結晶は六角、もしくは6本の枝の形をベースにしているが、驚くほど精密な数学的法則に従っていると科学者たちの研究により解明されている。神は私たち人間を雪の創造とは比べることが出来ない、一人一人をユニークな者として創られた事を思うと感謝せずにはいらない。

しかし、本来ある冬の恵みも自分本位の生き方をしている地球に住む70億の人間がもたらしている温暖化という弊害によってなくしていることも事実である。