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2020.10.18 牧師の書斎

私は手続きのため職業欄に記入しなければならない時、いつもどのように書いたらいいのか迷ってしまう。家内も私も牧師は職業ではないと思っている。神から与えられた使命であり、神の召しであると確信しているからである。

 

明治時代に活躍した著名なキリスト者に内村鑑三や新島譲がいるが、植村正久牧師も番町教会(現・富士見町教会)を設立し生涯その教会の牧師を務め、また日本の伝道、教化に生涯をささげた。彼は地方を旅行して宿泊する時、宿帳に「無職」と書くのを常としていたという。「牧師」は他のいかなる職業とも違うという志の表れであった。

 

どこがどう違うのだろうか、他のどんな職業にも「公人」と「私人」の区別がある。いわゆる“アフター5”があり、休日があり、退職がある。しかし、牧師にアフター5はなく、休日も退職もありえず、公人と私人の違いもなく、主が人々の間で生きられたように生きるよう召されたものと私も、家内も承知している。その意味ではまさに植村牧師の生き方に共鳴するし、追従したいと願わされている。

 

「朽ちる食物のためではなく、」永遠に朽ちない食物のために働きなさい」(ヨハネ6:27)と主が語られたが、福音に生きることの素晴らしさ、確かさ、喜び、感動に溢れる経験は他では味わうことは出来ない。多くの先達の聖徒たちの経験には程遠いかもしれないが、その恵みに与り日夜奮闘している。主の時まで元気で御思いにお応えしていきたいと願い祈っている、今日この頃である。