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2021.2.14 牧師の書斎

今、話題の女性蔑視発言でオリンピック組織委員会会長職を辞任に追い込まれた件で、新聞の掲載されていた小さな囲み記事から…。

 

心の働きに口が連動するとは限らない、との書き出しでまどかみちおさんの「口」と言う詩「言わなかったことは言ったことの大概、いつも何倍かだ。次いで曰く、言ったことは大概いつも言うまでもなかったことだ」と引用され、言葉を飲み込みながら人は生きている、と書かれていた。

 

社会にあって、それなりの立場にある人の発言は大きな波紋が広がるものである。今回、諸外国からも黙認は容認であるとの意見が寄せられている。「沈黙は金なり」とあるが、王子の結婚式の披露宴に礼服を着ていない者に、何故礼服を着ないのかとの王の問いに黙って答えない者がいた、とマタイ22章に出てくる。作者は知らないが「言わなくてよかった 黙っていて良かった」と歌われたのを聞きながら私自身封印した言葉を思い出して共感したことがあった。

 

言うも良し、黙るも良しであるが、「彼女は口を開いて知恵深く語り、その舌には恵みの教えがある」(箴言31:26)のように、人を生かす神の口から出る一つ一つの言葉が溢れるように今日も願って祈っている。