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2021.5.2 牧師の書斎

いつでもどこにいてもコミュニケーションが簡単に享受出来るネット社会の今、お金とネット環境があれば、スマホでメールやり取りをしたり、アプリを使って欲しい物やサービスはほとんど手に入る便利な時代になってきている。

 

先週、早稲田大学教授の石田光規さんの「今を語る」という新聞記事を読んだ時考えさせられた。「今、女性や若者向けの孤独、孤立問題が注目されているそうである。三菱総合研究所の調査によれば、孤独を感じる割合が平均で19%、20歳代が最も多く男性が25%、女性が27%で、30歳代、40歳代、50歳代になるにつれて減少し、60歳代では10%まで減少している。スマホなどの機器を駆使している若年層ほど高いのはなぜだろうか? 

 

石田教授は「コロナ前はまだ、対面することに価値があると感じている人は多かった。でも、オンラインでのやりとりが当たり前となり、「会わなくてもいい」という感覚が文化として浸透してしまいました。そうなると、実際に会うのは本当に付き合いたい人だけというふうに人間関係から撤退させられる人は増えるでしょう」と書いておられた。若者の多くは、フォローアーと言われる人たちがフェイスブックなどを通して、共感し孤独を感じていないように思っていたが、意外な調査結果に驚いている。

 

「孤独は山の中にあるのではなく、街の中にある」と言った哲学者の三木清の言葉が思い出される。主は群衆を見て、「羊飼いのない羊のように弱り果てている彼らを見てかわいそうに思われ癒しの業を行われた」(マタイ9:36)。主イエスが積極的にザアカイに近づかれたように、今のこのような時代の谷間にいる人々に手を指し述べ、あなたを捨てて孤児にはしないと言われたインマヌエル(神我らと共におられる)の神を紹介していこう。