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2021.7.4 牧師の書斎

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まっておよそ1年半が経ち、毎日ワクチン接種の話題で明け暮れている。欧米やイスラエルではワクチン接種が大々的に進められ、感染状況が下降線になり以前のような生活に戻りつつある映像を見て、早く日本でも大々的にワクチン接種が始まるようにと願っている。私も妻も先月1回目の接種をすることが出来た。ワクチンとは、毒性を弱めて安全な形にした病原体(ウイルスや細菌等)のことである。これを注射することで、人体にその病原体への免疫ができ、感染を防げる。たとえ感染しても、軽い症状ですむようになる。大多数の人が接種を受ければ、集団免疫出来流行は収まっていくだろうと期待が高まってくる。

 

私たち人類を苦しめてきた感染症の中で、最初にワクチン開発に成功したのが「天然痘」でイギリス医師エドワード・ジェンナーが有名であるが、それより前にイギリスのトルコ大使夫人、モンタギュー夫人が自分の子どもに天然痘接種を行い、イギリスに持ち帰った。夫人の熱心な活動により、天然痘接種がイギリスの医師たちの間で広く行われるようになったそうである。

私も子供時代に学校で牛痘接種をしたことを覚えている。その時、毒を以て毒を制す方法への抵抗感はなかった。今、コロナウィルス感染予防のためワクチン接種することに抵抗感を持っている人が少なくないそうだ。

 

人類の歴史の中で何度も天然痘の流行で多くの命が奪われたが、そのためモンタギュー夫人が愛する自分の子どもに種痘することは、命を失うかも知れない。犠牲になるかもしれない、愛するがゆえの葛藤の中、勇気を出して実行した事よって多くの命救われた。

 

ワクチン接種のあれこれを思う中、神が私の罪のために御子イエスを十字架にかけられたこと。父なる神の犠牲、愛によって私たち全人類のための贖いが完成されたこと。ただ信じる信仰によって救われたこと、等々。神の計り知れない愛で愛されていることに感謝した。