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2021.12.19 牧師の書斎

神からの贈り物が与えられる大きな喜びの降誕節、クリスマスには、聖書の登場人物の「忙しさ(急がしさ)」が随所に見られる。一年最後の月、12月が「師走」と呼ばれている、事とは無関係であるが…。

 

クリスマスの最初の夜、野宿していた羊飼いたちに御使いが現れ救い主イエス様の誕生を知らせる。彼らはベツレヘムへ「急いで行って・・」マリヤとヨセフと、飼い葉おけに寝ておられるみどり子を捜し当てるのである(ルカ2:8~20)。羊飼いたちが一秒でも早く救い主に会いたい一心で喜び走っている姿が目に浮かんでくる。前後するが、御使いから受胎告知されたマリヤが、親戚のエリサベツに会うため、「立って、山地にあるユダの町に急いだ」(ルカ1:39)とも記されている。救い主を宿すという神から最も尊い任務が与えられ、その大きな喜びと責任、また不安なゆえに道を急いだ逸る心のマリヤを思わずにはいられない。

 

聖歌229「アメージング・グレイス」を作詞したジョン・ニュートンは聖歌279「御顔を見ぬ時」も作詞している。その1節「御顔を見ぬ時 すべては意味なし 香りよき花 声よき小鳥も ああされどわが慕とう主在まし給えば 師走も5月と などかは区別せん」と。主の臨在がある時、真冬の12月もみどり滴る5月と変わりがない。どんなに忙しくても、主の御顔を仰ぐことを後回しにしてはならない。主イエスを信じ、その主を心に宿し、その方を礼拝するのでなければクリスマスのすべては空しい。

 

急いで出かけ、主を礼拝した羊飼いたちが「神をあがめ賛美しながら帰って行った」ように、クリスマスには「救い主誕生」の祝福を人々に分かち合おう。「あなたのために生まれて下さった救い主に感謝し、救いの恵みを受け入れて生きるよう」に伝えよう。ジョン・ニュートンが奴隷商人から牧師へと変えられたように、多くの人が恵みに生きることが出来るために!