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牧師の書斎 2019.3.10

昨年の6月頃、「むくげの花の少女・・・朝鮮国女の墓」という絵本を、礼拝出席しておられるJ兄からいただき読んだ。その事がきっかけとなり、少女の故郷探しが始まり、高知や韓国へ足を運ぶことになった。


22年前に出版された著者の植野雅枝さんは高知県黒潮町に住んでおられ、会って話を聞くことができた。
 豊臣秀吉が朝鮮侵略した慶長の役(1597~98年)に、土佐の大名長曾我部元親の家来であった小谷与十郎が機織りの美しい3人の少女を連れてこようとした。一人は船に乗せられる時、スキを見て逃げ、もう一人の少女は日本に連れてこられる時船から海に飛び込んだ。
 残された一人の少女だけが小谷与十郎の住んでいる高知の海辺の上川口の里に連れてこられた、という。


 少女は朝鮮の故郷に帰りたい望郷の思いを心に秘めながら懸命に働いた。その少女の織る布は美しく、機織りの技術を近郷近在に広め、彼女は美しく優しく、土地の人々に愛され慕われたと言い伝えられている。
 少女の庭にはむくげの花が多く植えられていた、という。


その少女がなくなってからも少女の話しは機織りをする人たちの子供から孫へと語り継がれていった。そして、朝鮮国女の墓として、今でも土地の人たちから大切に守り継がれている。J兄から相談を受け朝鮮の機織りの少女の故郷を探すことになった。