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牧師の書斎 2019.11.17

 昨年の6月頃、「むくげの花の少女・・・朝鮮国女の墓」という絵本をいただき、その事がきっかけとなり、少女の故郷探しが始まり、高知や韓国へ足を運ぶことになった。一冊の絵本との出会いから、高知在住の著者や、300年以上大切に墓を守ってこられた武将の子孫の方々、黒潮町の人々、また韓国の南原の文化院長や市長、牧師先生たちとの出会いの中心に主がおられ助け導いて下さっていることを見せていただき、感謝と共に「なんで私が」と、戸惑いながらも導かれるままに任せて今日まで来た。


 豊臣秀吉が朝鮮侵略した際、多くの捕虜が連行された。その人々は、望郷の念を抱きながら、苦難の生涯を送ったであろうと思わされる。
その中には、才能、人格、技術が認められ、社会的地位を得た人のことが記録されている文献があるが、そのほとんどが男性である。土佐の片田舎、上川口に連れてこられた「むくげの花の少女」の記録は、韓国の全羅北道の南原市も同様、皆無であった。9月に日本の四大新聞のM社の記者を紹介していただき、紙面になって多くの方に知ってもらえれば、と願い取材を受けた。


 記者は大変興味を持たれて、紙面になるのを楽しみにしていたが、少女の故郷を南原市と断定する根拠が弱くて記事には出来ないと編集会議で決まったとの返事をもらい、私自身これ以上検証することが出来ない、終わりにしようと心に決めた。


10月に入って、南原の訪問団が来るということを聞いた。会って驚いたのは、文化院長を始め、撮影チームとシナリオ作家が同行して八尾南の教会を撮影し、インタビューをフイルムに収めるという。何のことかと思っていると、ここから高知の上川口と韓国の南原市でも撮影をしますという説明を受けた。その時に、韓国国営の放送局の大きなプロジェクトだと聞き私の中に「どうなっているのですか?」と主に祈る事しかなかった。先週、招かれて韓国の南原市へ妻と一緒に行った。12月にはドキュメンタリー映画が完成し、同時に本も出版されると聞かされた。ビックリするほど早く事が運ばれている。このことが今後どのように展開されていくかは分からない。しかし、著者の植野雅枝さんが願っている、「The Family of Man」(国、民族、人種が違っていてもみんな家族)を推進し、日韓関係の軋轢を少しでも改善されるなら感謝である。
 全ての事に介入され事を行われる神ご自身の栄光になりますように!